【台湾徒歩旅 13日目】虎尾の風景と親切なカフェのオーナー

■虎尾を歩く

前日の不安からなかなか眠ることができず、寝不足のまま朝を迎えた。

現在私は「虎尾(フーウェイ)」にいる。ここは、台北で財布を落とした際に親身になって助けてくれた警察官の方の故郷だ。
朝11時にホテルをチェックアウトし、街を探索した。地名に「虎」が入っているためか、至る所で可愛い虎のマスコットキャラクターを見かけた。あの時の警察官の方を思い出しながら、感慨深い気持ちで歩を進めた。

■絶品の昼食とお気に入りの「虎尾鉄橋」

虎尾驛(旧駅舎)の近くにあるお店で昼食をとった。
ここで注文した料理が信じられないほど美味しかった。大と小のサイズがあり、私は小を選んでしまったことを激しく後悔した。あまりにも美味しかったのでスープも追加注文したが、それもまた絶品だった。

その後、虎尾驛周辺を観光した。かつてサトウキビを運んでいた汽車を間近で見ることができ、台湾にいながら何度も日本のノスタルジーを感じる瞬間があった。
そして「虎尾鐵橋(鉄橋)」を渡った。昔は列車が通っていたというこの鉄橋は、現在は歩行者用に整備されている。この橋から見る景色や雰囲気が素晴らしく、私が今まで台湾で歩いてきた橋の中で一番のお気に入りになった。

■嘉義へ。田園風景とレトロな芸術空間

虎尾を抜け、日本とよく似たのどかな田んぼの風景の中を歩く。
途中、刑務所の建物を通り過ぎた。さらに進むと、壁にアート作品が描かれている街に到着した。この壁面アートのクオリティが高く、今まで見てきた中で一番好きなストリートアートだった。

夜になり、「嘉義縣表演藝術中心」の横を通った。伝統的な建築様式を取り入れたとてもお洒落でレトロな空間だった。夜中に見ても雰囲気があって良かったが、昼間見ればもっと綺麗な場所だろうと感じた。

■「Sió tīng tshù 小硬厝」での温かいおもてなし

今日の宿泊先は、特別だ。
「Sió tīng tshù 小硬厝(迷路找不到,歡迎來電詢問)」というお店のオーナーさんが、ご厚意で「お店に宿泊していいよ」と言ってくれたのだ。道中で昼寝をしてしまったせいで予定より遅くなり、20時前に到着した。

オーナーさんに挨拶をすると、美味しい夕食のお店へ連れて行ってくれることになった。
移動手段はオーナーさんのバイクの二人乗り。私は人生で初めてバイクの後ろに乗ったのだが、その楽しさにすっかり魅了されてしまった。20年前に製造されたカワサキのバイクに乗るオーナーさんの背中はとてもかっこよく、「日本に帰ったら絶対にバイクの免許を取って乗ろう」と心に決めた。
連れて行ってもらったお店の夜ご飯も最高に美味しかった。

■優しさに慣れていく自分

少し日本語が話せるオーナーさんと、お店に戻ってから色々な話をした。

私が「着替えがないのでコインランドリーに行ってくる」と言うと、お店の洗濯機を貸してくれて、さらにオーナーさん自身の服まで貸してくれた。シャワーも浴びさせてもらった。
お金も払っていないのに、ここまで至れり尽くせりにしてくれることに、申し訳なさがこみ上げてきた。さらにオーナーさんは、「今夜は暗くて窓の外は見えないけど、朝になるとここから見える景色は綺麗だよ」と教えてくれ、明日の朝がとても楽しみになった。

しかし同時に、相手にひどく気を遣わせていることにも気づいた。
台湾の人々は、こちらが困っていることを相談すると、ただアドバイスをくれるだけでなく、すぐに行動という「形」にして助けてくれる人が多い。

最初はそれに心の底から感謝していた。しかし、これほどまでに助けられ続けると、自分の中で「助けられて当然」という感覚が芽生え、感謝の気持ちが薄れてきているような気がしてハッとした。いけない。これを当たり前にしてはいけない。

そう思って以前バックパックにつけていた「台湾一周徒歩旅行」と書かれた紙を外すことにした。きっと、こんなにも温かくて優しい国は、世界中で台湾だけだと思う。

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